インタビュー/レポート

タレント 寺門ジモン氏 インタビュー

芸能界一のお肉好きといっても過言ではないジモンさん。おいしくお肉を焼くコツから、肉焼き哲学まで、お肉の魅力をお聞きしました。

――そもそも、なぜそんなにお肉を好きになったのでしょうか?

僕にとっては、昔から「お肉=幸せ」と、お肉と幸せなことがセットになっていたんです。僕が育った大阪では、試験に合格したり、卒業したり、家族が集まったり、何か良いこと、お祝いごとがあった時には必ずみんなですき焼きを食べるのが伝統でした。それが楽しくて、うれしくて、今でもよく覚えていますよ。

それに、母方のお墓が松阪市にあったので、お墓参りの後は松阪牛を食べて帰るのが習慣で、もの心つく前からお肉の頂点にあるような松坂牛が身近にありました。ところが、お笑いを始めて貧乏になって、良いお肉はほとんど食べられなくなってしまった。東京に出てから食べたお肉は、子どもの頃の味とどうも違う。昔おじいちゃんが焼いてくれたお肉のおいしさが東京にない!全然ちがう!と思い続けるうちに、自然とおいしいお肉を探究するようになった。それで、ますますお肉の魅力にはまっていったんです。

――おいしいお肉の探究の中で、ジモンさんは家畜商の免許も取得されていますね。
お肉をおいしく食べるコツを教えてください。

おいしいお肉が高いわけではなく、高いお肉がおいしいわけでもありません。大事なのは、今日の料理にとってどんなお肉がおいしいかということです。おいしく食べる方法は、お肉と向き合う時間があればわかります。命あるものをいただくわけですから、どう扱うか、ちゃんと考えること。まずは、お肉を見てどうするとおいしくなるか考えることが大切です。

例えば、ホホ肉や筋の多いところを焼いて食べたいなら、薄くスライスして、包丁をたくさん入れるといい。こんなちょっとした工夫でいいんです。料理人は、お肉のおいしさを理解して、よりおいしくなるツボをそっと押してあげることができるんですよ。だからいらないことをしない、やり過ぎない、それがお肉をおいしくするコツです。

――いくつかあるお肉の調理法の中でも、「肉焼き」調理ならではの魅力とは何でしょう?

肉焼きの魅力は焚き火と同じ。焚き火って、燃えている中にも変化があって、ついついじっと眺めちゃいますよね。焼いているお肉も常に変化していて、同じ瞬間がありません。肉汁がにじみ出てきたり、落ちて行ったり。その時、その時の持ち味があって、毎回同じではないんです。その様子をじっと眺めているのが楽しくて。ある意味、肉焼きの行程は、人生にも通じるところがあるんじゃないかな。人は命をもらって生きて、最後に死んでいく。その時の流れが肉焼きの中に入っている。その一瞬を食べる。命を継ぐ。僕は肉焼きに哲学を感じていますよ!

――家庭でもよりおいしく「肉焼き」を食べるコツを教えてください。

僕のオススメは“もみダレ”をすることです。肉を焼く前に焼肉のタレをもみこむのは、昔の人が考えたお肉を食べる文化の一つ。フルーツや味噌などの持ち味によって、お肉がやわらかく、うまくなるし、さっぱり食べられるようにもなります。

それもお肉の厚みや薄さを見て、長く漬けるか、浅漬けみたいに短く漬けるかなど、漬け方を工夫して変えることがポイント。僕が使うタレは、市販だったり、手づくりだったり。市販のタレをアレンジするのも気に入っています。タレにレモンを垂らすとか、ちょっとゴマ油を足すとか。フレッシュな匂いを足すことによって、タレもより活きるし、肉のうまみも活きてきます。

焼肉の名店では、焼肉のタレで肉をもむその瞬間に、アレンジを加えることが多いんですよ。肉を見た瞬間に、その場で調節して、もんで出す。それが名店の味。ぜひ家庭でも挑戦して欲しいですね。

寺門 ジモン (タレント)

ダチョウ倶楽部のメンバー。近年は「ネイチャージモン」の愛称で、趣味である「肉体鍛錬」、「自然探訪」、「知的探求」を独特の形で結実して「自然と同化した芸人」を誕生させた。自ら原作で講談社コミック「ネイチャージモン」全9巻を発売。

特に、食については独自の考えを持っていて、著書も「ジモンの肉本」「ジモンのステーキ本」(えい出版社)など、食の本だけでも8冊は出版している。2011年からは、某デパートなどで、寺門ジモンのフードパーク「ウマすぎ夢の特選グルメ大集合」などの食のプロデュースを3年連続で手掛けている。

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